派遣の生き方
Twitterのトレンドに「派遣会社」が入っていて、関連ツイートを見ていったら「派遣の働き方はやめるべき!」「派遣やるなら直接雇用のアルバイトのがまし!」みたいな呟きがあったので、いやそんなことねぇだろ、と久々にブログを開きました。
社会的信頼とか安定性とか、言いたいことは分かるんですけど、雇用形態なんて働く本人や、派遣会社や、求人によるんで、一概にどの形態がいいとか言えないんですよ。
今は春で、悩める新社会人がこういうツイートを目にすることもあるだろうし、視野の狭い考え方を浸透させないでほしいなと。
私も何の専門家でもないんですが、過去そういう価値観にがんじがらめになっていた自分に語りかけるイメージで、ちょっと書いていきます。
派遣の給与だと生きていけないのか?
まず給与面について。
常用型派遣(派遣会社の正社員)ではなく登録型の派遣だと、正社員に比べてボーナスもなく、仕事量や責任、勤務時間等もろもろの条件からして月の手取りも微々たるもんです。
でもスキルがあれば、時給のいい仕事にありつけます。
私が住んでいる地域は、最低賃金890円で、アルバイト・パートの仕事なんかを探してみると890円~900円がせいぜいです。でもPCの基本操作ができる人なら、派遣で時給1,000円~の仕事がゴロゴロ転がっています。同じ時間働いても、接客ストレスも肉体労働もなしで、アルバイト・パートより少し多く稼げるんです。
ボーナスありの正社員には及ばずとも、それってちょっと良くないですか?
で、PCが使えるだけでなく、Adobeソフトが使えたり、特殊なスキルを持っていたりすると、さらに時給が高い仕事にありつけます。
最近は正社員であってもボーナスがない場合があるので、そう考えると派遣社員の給与でもあまり変わりない、むしろ派遣のほうが高いなんてこともあるのでは。
正社員なら安泰なのか?
昔の人ほど「正社員なら間違いない」みたいなこと言いますが、私はそうじゃないな~と思います。
だって、倒産しない保証はないです。そんなのドラマの中だけの話じゃない?とか思っていても、実際私が行った職業訓練のクラスの人は「ある日突然倒産して逃げられた」という人もいました……。
父の会社も全国規模の会社でしたが、住んでいる地域の職場が閉鎖されることになったり。
正社員だから路頭に迷わないというわけではないんだな、と。
あと、正社員は待遇が良いかわりに、仕事の責任や量、勤務時間が多いです。それらを打ち返して、適度に息抜きして、腰を据えて望めるタイプの人間ならいいですが、メンタル弱めで息抜きも下手で、身体も強いわけでもない人間には、正社員でいるほうがつらくて、身体を悪くすることもあります。
私なんかはお豆腐メンタルに加えて、ザックリ言うと飽き性な人間なので、最初、常用型派遣(派遣会社の正社員)で着任したときは「ああ、ここで働く限り、もう他の場所に行くことはないのか……。じゃあ3年くらいで辞めよう」となりましたので。
しかもそのあと精神的にも肉体的にもボロボロになって、1年もせず辞めましたので。
雇用形態なんかじゃなくて、その人にとって良いと感じる働き方をするのが、結局一番いいんですよ。
契約期間が終わったら?歳をとったら?
派遣だと、正社員と違って有期雇用だと思いますが、実質「長くここに居てね」みたいなことは割とあります。1年契約だけど、特に問題なければ翌年も原則更新、みたいな。
半年契約などの穴埋め的な募集であっても、派遣先から延長を求められたり、当初の契約は一旦終わるけど、やっぱりいてほしいから再度契約したい、みたいなことが実際ありました。
派遣先としても、派遣社員がコロコロ変わるのは教育の手間があって面倒ですし、雑務をこなしてくれるのでいたほうが助かるのです。
また、更新できず契約満了で辞めたとしても、仕事ぶりを評価されていれば、派遣元のほうから「このお仕事どうですか?」とお声がかかります。
私は契約途中で限界を迎えて辞めるというヤベー奴筆頭でしたが、仕事自体は真面目にこなしていたのと、PCスキル、Adobeソフトのスキルがあったため、お声がけをいただくことがありました。
私の例は絶対参考にしないほうがいいのですが、とにかく、頑張っていれば救いの手が差し伸べられることはあるってことです!←
そんなうまい話、今は若いから声がかかるだけでしょ?という意見もあるかと思います。
まあ多分それもあります。40代、50代になったら通用しない手ではあるかと思います。うん、ちょっと厳しいのかな。
それでも「何もしなくても勝手に仕事が舞い込むこと」はないと思いますが、「自分から動けば次の仕事をゲットできる」とは声を大にして言いたいです。
以前の職場で知り合った派遣社員さんは40代でしたが、自分だけの強みを持っていて、それを活かせる仕事をしたいのだとおっしゃっていました。
契約満了日が近づき、延長しないかとお声がかかったそうですが、お断りして辞めていきました。
その後しばらくしてランチに行ったんですが、その際に「自分の能力を活かせる仕事が見つかりました~」と報告されて、本当に年齢とか関係なく、自分の意志と能力があれば仕事は見つかるんだなと思いました。
生き方も働き方も多種多様
どうにも正社員至上主義な社会ですが、誰かが良いと叫ぶものが、自分にとっても良いとは限りません。
頑張れること、頑張れないこと、価値を感じること、感じないこと、求めること、やりたくないこと。
血の繋がった家族であっても、仲の良い友達でも、それはさまざまです。
なので、自分にとって大切な人にもし「こういう社会人になれ(なったほうがいい)」と言われても、ほかでもない自分がそれを「いやだ」と思うなら、自分なりの生き方・働き方を貫いたほうがいいです。
他と同じような生き方・働き方ができないと不安になったり、自分は欠陥品じゃないか…と自分で自分を卑下したりしますが、そんなふうに思う必要も、それによって自分を抑圧する必要もまったくない。
誰かの言いなりで生きるのではなく、自分で自分のことをちゃんと考えて、向き合って、自分の生きやすい・働きやすい道を模索したほうが、よっぽど賢いし、かっけーです。
っていうか、無理に適応しようとしても、どうせ数年で限界が来ます。
メンタルも身体もズタボロになって、くらくらフラフラ、吐き気でオエオエ言いながら人生を軌道修正していくより、余力のある内にぜひ自分に合った生き方・働き方を見つけましょう!